人の話を聞くこと。
 いつもしていた、そしていつもしている、きっといつまでもしているんだろう。
 人に話をすること。
 全くしないわけじゃない、だけどしたいときに出来ない、きっといつまでもやらないんだろう。
 自分のせいなんだろう、でも周りがまったくの無実だとも言えないけど。

 この微妙な人との距離感に、不安と恐怖が拭えない。
 話をしてくれる、そこはきっと素直に喜ぶべきなんだろう。
 でも、いざ自分自身が話をしようと思うと、どう話せばいいか、分からなくなる。
 そんなことをしている間に、他のところで笑い声が聞こえてきて。
 「一体、自分は何してんだろうね」って、苦笑い。
 誰も見てる人もいないから、好きなだけ笑って。
 最後に、ぽっかり穴が空いていることに気付く。
 今まで空いてきた穴に、またひとつ、仲間が増える。

 そこから這い上がってくるのは、人に対する不信感。
 「この人は、もしかして自分を利用しているだけじゃないのか?」
 「あの人は、自分をいつ捨てるか分からない」
 そんな自意識過剰な不信感と。
 「『聞き役の自分』が消えたら、きっと自分はなかったことにされるんだろう」
 「所詮、利用されるしかないんだ」
 「それが、忘れられないための手段なんだろう」
 そんな諦めを帯びた不信感と。

 「そんな自分に生きる価値はない」
 「何もない」
 なんてね。

 ただ人の話を聞いて、色んな知識を吸い込んでいくことが楽しかったのに。
 ただ人の話を聞いて、その人たちの中にいられることが楽しかったはずなのに。
 いつの間にかこんなに、不安と恐怖を背負っている。

 そんな自分を見られるのもまた怖くて。
 『いい人』の仮面とマントかぶって、見た目だけ『いい人』を気取ってる。

 ただし、今は『いい人』の仮面もマントも全部とっている気がしている。
 そこに『本当の自分』はいないけど。
 代わりに『Crying cats』なんて名前を付けられた、話したがりがそこにいる。
 これもある意味、仮面の一つなんだろう。

 いつかこんな話したがりでも。
 いつの日か隠れている『本当の自分』を引っ張り出して。
 『自分』として色んな人と声で、言葉を交わすことが出来ればって思ってるんだ。
2008.11.20 Thu l 思考系。 l COM(0) TB(0) l top ▲

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